シャクナゲのメッセージ

 富山県高岡市に南陽という建材卸の会社があります。昭和27年に創業された会社で、先代の社長(故人)が立ち上げ、現在2代目の社長が後を継がれています。年商80億円を超える大きな会社なのですが、先代が会社を興される際に、私の祖父が材木をお取引させて頂くご縁がありました。

 当時隠岐の島から富山の伏木港に材木を船で運んでいたわけですが、祖父はその船に度々隠岐シャクナゲという、隠岐の島の固有種であるシャクナゲの鉢植えを一緒に載せ、先代社長にお送りしていたようです。

 

 一昨日、先代社長の奥様に上の写真を初めて見せて頂きました。先代社長のお父様が大変喜んで下さり、写真を沢山撮って頂いていたようです。

 

 大正生まれの頑固で偏屈だった祖父が、人に花を送るなんて全く想像できません。しかし、先代社長と祖父の友情がどれほどのものだったのかを、この1枚の写真が雄弁に語っています。

 

 この翌日、雨の降る伏木港に立ち寄りました。運搬船に積まれた、山のような原木の片隅に、シャクナゲの鉢植えがひっそりと置かれている姿が目に浮かびます。

 

 こんな素敵なファミリーヒストリーをプレゼントしてくれた祖父と、三代にも渡るご縁を頂いた先代社長との友情に思いを馳せ、伏木港を後にしたのでした。